千葉の房総半島の真ん中、九十九里浜寄りの豊かな自然の中に工房を構えるWOOD STUDIO KUZE’S。都会の喧騒から離れた静かな茂原の地で、オーダー家具の制作に取り組んでいる久世さんにお話を伺った。

(WOOD STUDIO KUSE’S 久世さん)

1. 家具職人になるまで

茂原に工房を構えてから10年になりますが、実は20代のときは、陶芸に打ち込んでいたんです。金沢にある工芸の研修施設に技術研修者として入所し、陶芸技術の研鑽をつんでいたのですが、20代の終わりに、木工で身を立てようと思ったのです。

なぜそう思ったのか、今では忘れてしまいましたが、地元が知多半島だったので、小学校のころにカリモク家具の工場に社会科見学に行ったり、ステレオラックを自作したりと、子供のころから、木工は身近な存在でした。

そういうのが、原体験になっているのかもしれません。

陶芸も木工も、「つくる」という点では、同じです。ただ、オーダー家具の場合、付き合うのはお客様だけです。そこにあるのは、「お客様」と「もの」と「私」という、とてもシンプルな関係性です。

オーダー家具は高価なので、相当な魅力を感じていただかないと、お客様からご注文をいただくことはできません。その魅力をどう伝えるのかというところが、面白いですね。

(WOOD STUDIO KUSE’S の工房)

2. 久世さんのこだわり

天然の素材でしか表せない、手触りや風合いを大切にするために、無垢の木にこだわって家具を製作しています。木材は、お客様の注文を受けてから、静岡にある木材店まで足を運んで、自分の目で見て選びます。

塗装も、化学塗料ではなく、天然のオイルで仕上げているので、使えば使うほど良い味になっていきます。

(使えば使うほど、良い味になっていく)

デザイン面でこだわっている点としては、木の組み方ですね。金具やダボで木を接ぐよりも、ほぞ組で木を貫通させることで、ユニークなデザインに仕上げています。

(ユニークなデザインの家具は、ギャラリーの展示に出すこともある)

お客様からオファーを頂いて、お話をさせていただくと、予算をオーバーしていることも多いんです。それでも、「市販の家具と、質感やデザインが違いますよ」と説明させて頂くと、納得していただけることが多いですね。

熱心なお客様だと、制作の途中に何度も現場に足を運んで、相談していきます。そうやって、ひとつひとつ、お客様のニーズに合った家具を製作するのです。

3. WOOD STUDIO KUZE’S について

設立当初は、注文を取るのが大変でした。週末に木工教室を始めても、田舎だったので最初の1、2年はなかなか人も来なくて。

地域誌に載せてもらったのがきっかけで、徐々に人が集まり始めて、今では、遠方から車で一時間以上かけて教室に通われる方もいます。

(WOOD STUDIO KUZE’S ショールーム入口)

家具工房で本格的に教えているところが少ないので、遠くても来てもらえるのです。今は、生徒も20人ほどいて、そうなると、もし辞めたいと思っても、もう辞められないですね。

本物の木でできた家具が生活空間の中にあると、心が安らぎます。無垢の木でつくられた良い家具を通して、そのような安らぎの空間の提供ができれば、と思います。

WOOD STUDIO KUSE’S
・住所:千葉県茂原市千町2959-1
・Tel&Fax:0475-44-4566
・HP:http://kuze-s.com
・Instagram:woodstudiokuzes

(取材・構成 芦澤)

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